陥没対策のための空洞調査

ボーリング探査
(玉野総合コンサルタント(株)提供)

 陥没対策が必要な空洞は、地下浅所にある亜炭や石炭の採掘跡と防空壕などの地下壕です。しかし、炭鉱の空洞と地下壕では、掘る目的と空洞の規模が全く違っています。ですから調査の場合にも、その違いを考えて計画を作らねばなりません。とくに考慮する必要があるのは次の諸点です。

亜炭などの空洞

1.空洞は、地層の中の特定の層準に沿って掘られています。空洞がある層準を確かめることが、調査の基本です。また採掘された炭層は1枚とは限りません。
2.地表から採掘坑道まで、斜坑や立坑を掘った場合が多いので、注意が必要です。また部分崩落が起こった所では、しばしば空洞が上の水準に移行します。本来の空洞はどれか、見極めねばなりません。

防空壕などの地下壕

1.坑口は、崖や斜面の下など、道路から簡単に行ける場所にあるのが普通です。坑口を確認することが調査の第一歩です。

空洞調査の基本

 空洞調査には、ボーリングと物理探査が併用されていますが、基本はボーリング゙調査です。物理探査は地盤の中の物性値の異常を探知することを目的としています。探知された物性異常が空洞を意味するかどうかは、ボーリングで確認しなくては分かりません。物理探査は、空洞の平面的位置を予測し、その分布範囲をしぼり込むのに、特に有効です。

空洞調査の手順と解説

 空洞調査は通常次のような手順にしたがって行われます。空洞の状況によって当然内容は変わりますし、省略される部分もあります。また状況によって手順が入れ代わることもしばしばあります。この中で特に2は軽視されがちですが、空洞調査では欠かせない作業です。

1.資料調査と聞取り調査

2.地形地質踏査(予察ボーリングの重要性)

3.物理探査

4.ボーリング調査

5.調査結果の解析と総括