地下空洞の充填工法

空洞の規模や深度により、次のような工法が使用されています。

1.はぎ取りー埋め戻し工法

はぎ取りによって現れた浅い空洞の埋め戻し
日進市折戸地区(1992)

 深さ5m以内の浅い空洞や立坑を充填する場合に使用されます。土被りの一部分をはぎ取り、バラスや土砂で埋め戻します。局地的な小陥没の場合は、こうして補修するのが普通です。

2.エアーモルタル工法

 浅い水のない空洞の充填に適した方法です。モルタルに水を加え、さらに特殊な界面活性剤を起泡剤として加え、無数の泡を発生させて流動性のスラリーとし空洞に注入して充填します。水のない空洞では非常に効果的な充填が出来ますが、水があると泡が潰れて流動性が失われるので充填効果は大きく減少します。

3.流動化処理工法

 工事による発生土に、調整泥水または水と固化材を混合して流動化させた安定処理土をを使って埋め戻す工法です。狭小で締固め困難な開削工事の空間、あるいは地下空洞の埋め戻しに多く使用されています。

4.キラ充填工法

 日本で初めて大規模な亜炭空洞の充填に成功した工法です。他の工法と区別するためにキラ充填工法と呼んでいます。この名称は、キラのように安定した粒度組成をもつ材料を充填材に使うという意味で命名されました。キラの意味はキラ充填工法の頁で詳しく説明します。キラ充填工法が、固結後の空隙比(ブリーデイング率)3%以下という高規準を維持できるのは、キラのように粒度管理が行き届いた材料を充填材に使用しているためと考えられます。

充填工法の解説

1.キラ充填工法 キラ充填工法の始まり、空洞充填に求められる条件

2.充填施工の流れ 施工前調査の重要性 空洞の連絡状況調査 充填材の配合 充填スラリー製造プラント 品質管理 充填施工管理

3.限定充填工法 限定充填工法の特徴と施工 端部材の充填 削孔作業の重要性