1.空洞被害の予防対策方法
空洞が原因で地表に陥没や沈下等の被害が発生することを防ぐ対策方法には、次のようなものがあります。一つは被害の影響を低減する方法で、構造物の軽量化、基礎の接地圧の低減、基礎の補強などが挙げられます。
これに対して、空洞そのものを埋戻して被害の原因を除去する対策として、空洞を掘削して土砂などで埋戻す方法や、スラリー状の充填物を空洞内に注入し、固化させて埋戻す空洞充填工法があります。掘削・埋戻しによる方法は、空洞の形状を直接確認でき、また埋戻しの施工も的確に管理できるため、施工の確実性が高い方法です。しかしこの方法は、空洞が浅く規模が小さい場合には有効ですが、空洞が深い場合には掘削が大規模になり、莫大な費用が必要になります。
一方、空洞充填工法は、空洞が深い場合でもボーリング孔(充填孔)を通してスラリー状の充填物を空洞内に注入するため、安全に施工することができます。また、適度の流動性が得られるように充填物の配合を調整し、充填圧力や流量を適切に管理することで確実な充填を行うことができます。課題としては、材料や充填物製造設備の選定と施工方法について、事前に十分な検討が必要なことが挙げられます。また、充填中は地盤内に注入の圧力が伝播することがあり、周辺の構造物が隆起や傾斜などの影響が生じないように圧力管理を慎重に行う必要があります。
2.代表的な空洞充填工法の概要と適用性
前項で述べたように、空洞充填工法は空洞そのものを埋戻すことで被害の原因を除去でき、また対象とする空洞の深さや規模に対する適用範囲も広いという特徴があります。空洞充填工法に使用する材料には各種のものがありますが、主に材料の違いによって、いくつかの工法に分類されます。表1に代表的な空洞充填工法の概要と適用性を示します。
表より、キラ充填工法は空洞充填を目的にした工法であるため、対象範囲外への充填材の流出防止が可能なことなど、様々な空洞や現場条件に対応できる特徴があります。また、専用の大型プラントを使用するため、大中規模の空洞充填に適しています。
表1 代表的な空洞充填工法
